top of page
JT870 沢瀉桐紋透鐔
無銘:尾張
鉄地丸形 角耳小肉 桃山時代
84.1mm×82.4mm×耳5.5mm(切羽台4.5mm)
上製桐箱入落込済
「尾張」として保存刀装具鑑定書付
¥390,000
Owari. Design of paulownia emblem and Sagittaria trifolia.
Momoyama period
NBTHK Hozon Tosogu Certificate as “Owari”.
尾張透という名称は古くにはなく、近世になってから、秋山久作翁が透鐔を整理分類した折に名付けられました。実際に尾張で作られたかどうかはわかりませんが、焼き手の手法や鉄骨が、尾張出身の山吉兵衛や法安に似ているためにその前身と考えられました。室町時代の尾張透の特徴は、鉄地丸形で中低、角耳小肉で、主に左右シンメトリの大胆な透かしで鉄骨の入った槌目仕立てです。この鐔はそのような尾張の伝統を伝えていますが、透かしは技巧的で複雑になっています。おそらくは京透かしの影響を受けたものと思われます。左右と上側には沢瀉の図で下側には五三の桐紋を、斜めには小さな三階菱を配しています。耳は槌目仕立てで、平地は槌目を残しながらの磨地仕立てにしています。時代は室町までは上がらず、桃山時代の制作であると思われます。艶のある黒々とした錆色、動きがありながらも精緻な透かしは大変魅力的で、痛みもなく大ぶりで愛玩に足る名作です。
bottom of page