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JT1411 括り猿透鐔
NEW
銘:貞廣
鉄地長丸形 角耳小肉 江戸時代初期
86.5mm×80.4mm×耳5.2mm(切羽台3.1mm)
上製桐箱入落込済
「貞廣」として保存刀装具鑑定書付
¥280,000
Mei: Sadahiro. Design of Kukurizaru.
Early Edo period
NBTHK Hozon Tosogu Certificate as “Sadahiro”
貞廣は尾張の鐔工で、数代あると言われています。当時の尾張の国、清洲には山吉、法安と有名な信家がいて鐔を製作していました。貞廣には山吉や法安と共通した作風のものが多く見られ、同時代に影響し合いながら鐔を作っていたことがわかります。山吉と法安の初代の活躍期はほぼ明らかであり、同じ慶長前後から鐔を製作していたことが想像できます。また、晩年の太字銘の信家は、貞廣とよく似た鐔も作っています。この鐔は、長丸形で、耳から切羽台にかけてやや肉を落とした造り込みで、括り猿を透かしています。このような大きさ、形や、焼き手を入れて変化を付けた中低の作り込みは太字銘の信家と共通しています。貞廣と信家、お互いの影響や関連性が想像できます。また、平地に同心円状の凹面を作り、それに取り巻くように紐状の鏨を入れて文様にしています。このような仕事は信家や山吉には見られず、貞廣独自のアイデアであると思われます。貞廣は、忘れられた存在で、現在の評価はあまり高いとは言えませんが、作品が比較的多く残されていることから、当時は信家、山吉や法安と肩を並べるほどの人気の作者であったと思われます。
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