JT1401 魚尽図三所物
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後藤通乗
銘:後藤光寿
赤銅魚子地高彫色絵哺金 江戸時代中期
笄:長さ212mm×幅12.9mm×厚さ5.2mm
小柄:長さ97.1mm×幅14.5mm×厚さ6.3mm
目貫:長さ37.6mm×幅13.8mm×厚さ6.4mm
上製桐箱入落込済仕覆入
「光寿」として特別保存刀装具鑑定書付
¥1,850,000
Goto Tsūjō. Design of fishes.
Mei: Goto Mitsutoshi
Middle Edo period.
NBTHK Tokubetsu Hozon Tosogu Certificate as “Mitsutoshi”
後藤通乗は、寛文四年(1664)に、名工、後藤顕乗の子である仙乗の子として生れました。10代目の廉乗の跡継であった、光嘉が25才の若さで亡くなり、後継がいなくなったので、養子となり元禄十年(1697)に34歳で11代を継ぎました。古くから「祐・光・通」と呼ばれ、後藤家彫の三作とされています。
この頃は、町彫の創始者と謳われた横谷宗珉、奈良三作と呼ばれた、奈良利寿、土屋安親や杉浦乗意などの名工が続々と現れ、その自由な発想、作風や構図がもてはやされた時代でした。このような時代に、そのような町彫の名工と対抗して、様々な図柄や斬新な構図を考案し、後藤家の隆盛に貢献したことは高く評価されています。
この魚尽の三所物は、そういった新作の図柄で、通乗以前には見られなかったものです。当時の江戸の魚河岸のにぎやかさと華やかさが感じられて、武家の好みにも合ったものと思われます。それぞれに、鯛、海老、蟹、鮃、細魚、鯵や鯰など種々の魚が描かれ、赤金、青金、四分一、赤銅や素銅を使ってカラフルに彫られています。また、魚をデフォルメして描き、後藤家の格式や伝統にも合致した作品に昇華させているのはさすがです。この三所物は全く傷や欠点もなく、通乗の個性が表現された、愛蔵に足る名作です。








