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JT1172 雲龍丁字唐草図鐔
無銘:美濃
赤銅魚子地木瓜形 角耳小肉 江戸時代初期
72.3mm×67.0mm×耳4.8mm(切羽台3.7mm)
上製桐箱入落込済仕覆付
「無銘美濃」として特別保存刀装具鑑定書付
図録「特別展 金工美濃彫」所載
¥650,000
Mino. Design of clove, arabesque and dragon.
Early Edo period
NBTHK Tokubetsu Hozon Tosogu Certificate as “Mumei Mino”.
Published in the exhibition catalog of “Kinko Minobori”.
「美濃彫」という名称が最初に出てくるのは、天明元年(1781)発刊の稲葉通龍の「装剣奇賞」です。それには光暁、光政や光伸の在銘のものを紹介しています。小窪健一氏が昭和48年(1973)に「金工美濃彫」を著された頃から、同じような画題や技法で作られた、それらより古い桃山時代以前のものを「古美濃」と呼んで区別をするようになりました。この鐔は良質な赤銅を木瓜形、土手耳に仕立てています。土手耳の内側には丁字唐草を鋤下の技法で彫り、耳には同じく雲龍を彫った後に厚い金色絵で加飾しています。隙間には細かな魚子を撒き、入念で格調高い仕上がりになっています。技法や主題は古調で、古く観える鐔ですが、表と裏では丁字の数が違い、龍は後藤風な顔つきであることから江戸時代に入ってから間もなくの制作であると思われます。平成五年(1993)に岐阜市歴史博物館で開催された「金工美濃彫」展に出品された名作で、そのときのキャプションも残り、図録にも所載されています。
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