JT1028 菊波透鐔
無銘:林二代重光
鉄地変わり形 丸耳 江戸時代前期
79.7mm×76.5mm×耳4.9mm(切羽台5.1mm)
上製桐箱入落込済
「林」として保存刀装具鑑定書付
¥280,000
Shigemitsu Hayashi the second.
Design of chrysanthemum and wave.
Early Edo period.
NBTHK hozon paper as "Hayashi".
林重光は、名工又七の倅として寛文七年(1667)に生まれて延享元年(1744)に没しています。制作時期は元禄から享保の頃で江戸文化が花咲いた時代と重なっています。「肥後金工録」には「概ね初代の掟に依るとはいえども至って雅趣あり。ゆえに精密の作ものは寧ろ乏し」とあり、又七や藤八とは違った、やや歪みのある味わい深い作品を作りました。この鐔は、変わり形でその中に波と菊花と葉を透かしています。櫃穴がやや角ばっていることや自由で動きのある図取りから初代勘四郎にも見えますが、このような緻密な鉄は西垣初代にはなく、また波頭の丸味が揃っていることから、林家のもので、動きのある作風から重光の作品であることがわかります。艶のある羊羹色の鉄は魅力的で、保存状態も最上であり、重光の高い技量を示した一点です。



