JT1017 左右大透唐草図鐔
無銘:西垣二代勘四郎永久
鉄地長丸形金布目象嵌 丸耳 江戸時代中期
74.5mm×70.7mm×耳3.9mm(切羽台3.8mm)
上製桐箱入落込済
「勘四郎」として保存刀装具鑑定書付
¥320,000
Nishigaki Kanshiro the second. Design of arabesque.
Middle Edo period
NBTHK hozon paper as "Kanshiro".
西垣二代勘四郎は、寛永十六年(1639)に生まれ享保二年(1717)に没していて、活躍期は元禄時代が中心です。14歳のときに藩命で後藤顕乗の弟子となり、24歳で皆伝を得て肥後に帰っています。後藤家で学んだこともあり、作風は高尚で緻密なものが多いのですが、有名な田毎の月図鐔のように、初代のような自由で奔放な作風のものも制作しています。この鐔は、長丸形で左右に大きな洲浜を透かし、ていねいな唐草を象嵌しています。平地は燒き手による変化を付け、明るく艶のある鉄色と相まって、自由で奥行きのある雰囲気を演出しています。一方、唐草の象嵌は又七を彷彿とさせるような謹直な仕上がりにしています。このように「柔」と「剛」を対比して見せる作風は二代勘四郎永久の得意とする所です。味わい深い雰囲気と謹直な個性を味わうことのできる名品です。



