JT890 蝶図鐔
無銘:三代西垣勘四郎
鉄地長丸形素銅点象嵌 丸耳 江戸中期
73.7mm×69.9mm×耳3.0mm(切羽台3.9mm)
上製桐箱入落込済
「甚吾」として特別貴重鑑定書付
¥250,000
Kanshiro Nishigaki the 3rd. Design of butterfly.
Middle Edo period
Tokubetsu Kicho Kanteisho as "Jingo".
三代西垣勘四郎は延宝八年(1680)生まれで、宝暦十一年(1761)に81歳で没しています。長命ですが制作時期が享保の改革と重なり、質素倹約を重んじた時代のせいか残された作品はやや少なめです。この鐔は整った長丸形で鍛えの良い平地は切羽台から緩やかに肉を落とし、水の波紋のような窪みを付けています。典型的な肥後金工の図取りですが、耳側に素銅の点を象嵌しています。よく見るとそれは抽象化された蝶の目のようで、三代勘四郎のアイデアが光っています。平地の働きや古調な鉄のこなしは、初代か二代甚五のようにも見えますが、細長い左右の櫃穴の形から三代勘四郎の作品であると思われます。


