JT1208 地紙透鐔

 

銘:貞廣

鉄地撫八角形 角耳小肉 江戸時代初期

78.5mm×75.2mm×耳4.4mm(切羽台4.5mm)

上製桐箱入落込済

「貞廣」として保存刀装具鑑定書付

¥180,000

 

Sadahiro. Design of the paper for the Japanese fan.

Early Edo period

NBTHK Hozon paper as “ Sadahiro”. 

 

貞廣は尾張の鐔工で、数代あると言われています。当時の尾張の国清洲には山吉、法安と有名な信家がいて鐔を制作していました。山吉や法安と共通した作風もあり、同時代に影響し合いながら鐔を作っていたことがわかります。山吉と法安の初代の活躍期はほぼ明らかであり、同じ慶長前後から鐔を制作していたことが想像できます。また、晩年の太字銘の信家は、貞廣とよく似た鐔を作っています。この鐔は不定形な八角形で切羽台から耳にかけてやや肉を落とした造り込みで、扇に貼る地紙を透かしています。変形の板鐔に透かしを施した作風は山吉初代と共通しています。単純な造形ですが、平地には槌目で微妙な変化を付け、焼き手をかけていて、柔らかな形と相まって不思議な雰囲気があります。鑑賞すれば、作者と禅問答をするかのような深遠な趣を醸し出しています。貞廣は忘れられた存在で、現在の評価はあまり高いとは言えませんが、作品が比較的多く残されていることから、当時は信家、山吉や法安と肩を並べるほどの人気の作者であったと思われます。

貞廣, 地紙透鐔, Sadahiro
貞廣, 地紙透鐔, Sadahiro
貞廣, 地紙透鐔, Sadahiro
貞廣, 地紙透鐔, Sadahiro