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JT1200 八重菊透鐔
無銘:尾張
鉄地丸形 角耳小肉 桃山時代〜江戸時代初期
87.4mm×86.3mm×耳5.4mm(切羽台4.5mm)
上製桐箱入落込済
「無銘尾張」として保存刀装具鑑定書付
¥380,000
Owari. Design of double chrysanthemum.
Momoyama〜Early Edo period
NBTHK Hozon Tosogu Certificate as “Mumei Owari”.
尾張透という名称は古くにはなく、近世になってから、秋山久作翁が透鐔を整理分類した折に名付けられました。実際に尾張で作られたかどうかはわかりませんが、焼き手の手法や鉄骨が、尾張出身の山吉兵衛、法安や貞廣に似ているためにその前身と考えられました。室町時代の尾張透の特徴は、鉄地丸形で中低、角耳小肉で、主に左右シンメトリの大胆な透かしで鉄骨の入った槌目仕立てです。この鐔はそういった尾張の特徴を備えていますが、焼き手はさほど強くはなく控えめで、透かしもていねいで優雅です。戦国時代も終わり、交通の便が良くなり各地の文化が交差する時代を迎えたことにより、京透かしの影響を受けたものと思われます。したがって時代は室町まで上がらず桃山時代から江戸時代初期にかけての制作であると思われますが、黒々とした錆色や、僅かに残る槌目が尾張の伝統と魅力を充分に伝えています。8.5cmを超える大きな尾張透は大変珍しく貴重です。
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