JT012 波桜透鐔
無銘:林 藤八
鉄地長丸形 丸耳 江戸時代中期
73.1mm×69.2mm×耳4.7mm(切羽台5.0mm)
上製桐箱入落込済
「藤八」として保存刀装具鑑定書付
¥340,000
Tohachi Hayashi. Design of wave and cherry blossoms.
Middle Edo period.
NBTHK hozon paper as "Tohachi".
林藤八は有名な初代林又七の孫として享保八年(1723)に生まれて寛政三年(1791)に69歳で没しています。三代は又七の作風を墨守して謹直な作品を多く造り、かつては父の重光より名声が高かったとも言われています。在銘の鐔は「林又七三代目 林藤八作」と記した、御紋透が1点と「房吉作」の若銘が若干残るのみです。作品は、やや小ぶりなものが多く、どれも誠実な仕事です。これは動きのある抽象的な波に桜の花を散らした構図で、耳には連続した葛菱の金象嵌が施されています。計算された謹直な透かし、艶のある羊羹色の鉄は藤八の最高の技術を証明するものです。茎穴上下の不揃いな刻印は「肥後金工録」所載の藤八の刻印と良く似ています。保存状態も良く、藤八の個性がよく出た名作です。

